BCと新型コロナワクチン

PfizerとBioNTechが、新型コロナ第2波の最中にワクチン配布の準備が整ったことを発表したときには、世界は一同に息を呑み、小さな希望の光をそこに見ました。ほとんどの人が気付いていないのは、B.C.企業が希望のひらめきを生み出す上で重要な役割を果たしたことです。バンクーバーを拠点とする企業Acuitas社は、ワクチンのメッセンジャーRNA（mRNA）を機能させる技術を開発しました。

mRNAは、新型コロナウイルスの表面に存在するタンパク質を作り出すように体に指示し、このウイルスが異物であり、戦うべきであることを免疫系に伝えます。しかし、mRNAは保護なしでは細胞に入ることができず、私たちの身体はmRNAが目的地に到達する前に壊れてしまう場合があります。そこで登場したのが、Acutiasの脂質ナノ粒子テクノロジーです。mRNAの輸送手段として機能し、mRNAを破壊することなく細胞に到達させることを可能にしたのです。

ナノ粒子テクノロジーの成功は、学術的ルーツを基に研究を重ね、結果的に商業的な成功に発展した好例といえるでしょう。当州でのナノメディシンの研究は、生命科学に特化した50か所の研究センターのひとつであるブリティッシュ・コロンビア大学で始まりました。これらのセンターは、企業、組織、病院、大学の共同研究ハブに組み込まれたものです。ブリティッシュ・コロンビア州は、世界最高峰の医療システムによって支えられ研究を進める、世界クラスの科学者を擁しています。
政府は、連邦組織であるカナダ・イノベーション財団やBCナレッジ開発基金などでこの分野をサポートしており、この2団体はライフサイエンス研究のインフラ支援に向けて、2017年以降、4,900万ドル以上を授与しています。

カナダ国立研究評議会の産業研究支援プログラムは、カナダの主要なイノベーション支援プログラムです。中小企業がイノベーション能力を確立し、財政支援や顧問サービスを受けて、カナダのビジネスおよび研究開発の専門知識を得られるようにすることで、アイデアを市場に発信できるようサポートしています。

LifeSciences BC（LSBC）は、バイオ医薬品からデジタルヘルスや医療機器への投資と経済開発を促進する非営利団体です。ブリティッシュ・コロンビア州のライフサイエンスコミュニティを代表する団体であり、地域内・国内・国際的パートナーシップをサポートしています。2020年11月、LSBCは、新興のバイオテクノロジー企業や学術イノベーターを資本パートナーや戦略的パートナーと結びつけるイベント「バーチャルライフサイエンスサミット」を開催しました。

ブリティッシュ・コロンビア州のライフサイエンス業界は、学界、民間企業・団体、政府のコラボレーションを支援する優れたネットワークを備えており、パートナーシップや成長を実現する多大な機会があります。ライフサイエンスは、B.C.が世界クラスの能力を備えていることを明確に示す分野であり、同州の経済に大きく貢献しています。ライフサイエンス業界の最新ニュースについては、TwitterやLinkedInをフォローしてご覧ください。